相続税とは?仕組み・対象者・かかる財産をわかりやすく解説

相続税とは、亡くなった方(被相続人)の財産を相続や遺贈により取得した場合にかかる税金です。すべての人にかかるわけではなく、遺産の合計額が基礎控除額を超えた場合にのみ課税されます。この記事では、相続税の基本的な仕組みから納付方法まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。

まずは相続税がいくらか確認しましょう

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相続税の概要

相続税は、被相続人の死亡により財産が移転する際に課される国税です。日本では、遺産の総額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合に申告・納税が必要になります。相続税の税率は10%〜55%の累進課税で、遺産が多いほど税率が高くなります。

基礎控除額の例

法定相続人1人3,600万円
法定相続人2人4,200万円
法定相続人3人4,800万円
法定相続人4人5,400万円
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課税対象となる財産

相続税の課税対象となる財産は、被相続人が所有していたすべての財産です。金融資産だけでなく、不動産や動産も含まれます。

主な課税対象財産

  • 現金・預貯金
  • 土地・建物などの不動産
  • 有価証券(株式・投資信託・債券)
  • ゴルフ会員権・リゾート会員権
  • 貴金属・宝石・骨董品・書画
  • 自動車・船舶
  • 貸付金・未収入金
  • 特許権・著作権などの知的財産権
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非課税財産

一部の財産は、政策的な配慮から相続税が非課税とされています。

主な非課税財産

  • 墓地・墓石・仏壇・仏具・神棚などの祭祀財産
  • 生命保険金の非課税枠(500万円×法定相続人の数)
  • 死亡退職金の非課税枠(500万円×法定相続人の数)
  • 国・地方公共団体・公益法人への寄付
  • 心身障害者共済制度の給付金を受ける権利
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みなし相続財産

民法上は相続財産ではないものの、相続税法上は課税対象となる財産があります。これを「みなし相続財産」と呼びます。

  • 死亡保険金:被相続人が保険料を負担していた生命保険の死亡保険金
  • 死亡退職金:被相続人の死亡により支給される退職手当金等
  • 生前贈与加算:相続開始前7年以内に被相続人から贈与を受けた財産
  • 相続時精算課税による贈与財産:相続時精算課税制度を選択して贈与を受けた財産
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相続税の課税の流れ

相続税の計算は、以下の5つのステップで行います。

Step 1: 課税価格の計算

相続財産+みなし相続財産−非課税財産−債務・葬式費用+生前贈与加算

Step 2: 課税遺産総額の算出

課税価格の合計−基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)

Step 3: 相続税の総額を計算

課税遺産総額を法定相続分で按分し、各人に税率を適用して合算

Step 4: 各人の税額を算出

相続税の総額を実際の取得割合で按分

Step 5: 税額控除の適用

配偶者控除、未成年者控除、障害者控除等を差し引いて納付税額を確定

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納付方法

相続税は原則として現金一括納付です。申告期限は相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内です。

納付方法の種類

現金一括納付原則。金融機関や税務署の窓口で納付
延納最長20年の分割払い。担保提供と利子税が必要
物納延納でも困難な場合、不動産等で納付可能

注意: 期限内に納付できない場合、延滞税(年8.7%〜)がかかります。早めに資金計画を立てましょう。

あなたに相続税はかかる?

よくある質問

相続税はどんな人にかかりますか?

相続や遺贈によって取得した財産の合計額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合に相続税がかかります。基礎控除額以下であれば、申告も納税も不要です。

相続税がかからない財産はありますか?

墓地・墓石・仏壇・仏具などの祭祀財産、生命保険金の非課税枠(500万円×法定相続人数)、死亡退職金の非課税枠(500万円×法定相続人数)、国や地方公共団体への寄付財産などは非課税です。

相続税の納付方法は?

原則として、相続開始を知った日から10ヶ月以内に現金で一括納付します。一括納付が困難な場合は、延納(分割払い)や物納(不動産等で納付)が認められる場合があります。

※ 本記事は一般的な相続税の解説であり、税務相談・税務申告を行うものではありません。 具体的な税務判断は税理士にご相談ください。