不動産を活用した相続税の節税対策|現金との評価差を使う方法

相続税の節税方法として最もポピュラーなのが「不動産の活用」です。現金と比べて評価額が低くなる仕組みを利用して、合法的に相続税を減らす方法を、メリット・リスク両面から解説します。

不動産を含めた相続税を概算

現金と不動産の相続税評価の違い

資産の種類時価相続税評価額評価減の目安
現金・預金1億円1億円なし
自用地(土地)1億円約8,000万円約20%減
自用建物1億円約7,000万円約30%減
貸付用地(土地)1億円約6,300万円約37%減
貸家(建物)1億円約4,900万円約51%減

賃貸物件でさらに評価減

不動産を賃貸に出すと「貸家建付地」「貸家」としてさらに評価が下がります。土地は借地権割合と借家権割合(30%)を考慮して評価減され、建物も借家権割合分(30%)が減額されます。

貸家建付地の評価式

自用地評価額 × (1 − 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合)

タワマン節税と2024年改正

タワーマンションの高層階は市場価格が高い一方、相続税評価額は低く抑えられていたため、大きな節税効果がありました。

しかし、2024年1月以降、マンションの相続税評価に「市場価格との乖離率」を反映する新ルールが適用されました。評価額が市場価格の60%未満の場合、60%まで引き上げられるため、従来ほどの効果は期待できません。

否認リスクに注意

2022年の最高裁判決では、相続直前に約13億円でマンション2棟を購入した事案で、路線価による評価ではなく鑑定評価(時価)での課税が認められました。

否認されやすいケース

  • 相続直前に多額の不動産を購入
  • 相続後すぐに売却
  • 借入金で購入し「節税目的」が明らか
  • 市場価格と評価額の乖離が極端に大きい

節税額の概算例

ケース: 現金1億円を賃貸マンションに変えた場合

  • 現金のまま: 評価額1億円 → 相続税率30%で約3,000万円
  • 賃貸マンション: 評価額約5,000万円 → 相続税率20%で約1,000万円

概算で約2,000万円の節税効果

※ 基礎控除や他の財産を除いた単純計算です

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よくある質問

なぜ不動産で相続税を節税できるのですか?

不動産の相続税評価額は時価(市場価格)の70〜80%程度になるためです。現金1億円をそのまま相続すると評価額は1億円ですが、不動産に変えると評価額が7,000〜8,000万円程度になり、課税対象額が減ります。

タワマン節税はまだ有効ですか?

2024年1月以降、マンションの相続税評価に市場価格との乖離率を反映する新ルールが適用されました。従来ほどの節税効果は見込めなくなっていますが、それでも一定の評価減は残っています。

不動産での節税にリスクはありますか?

空室リスク、不動産価格の下落リスク、税務署による否認リスクがあります。特に相続直前の駆け込み購入は「節税目的が明らか」として否認された判例もあるため、慎重な判断が必要です。

※ 本記事は不動産を活用した相続税対策の一般的な解説であり、税務相談・税務申告を行うものではありません。 正確な計算は税理士にご相談ください。