事業承継税制とは?非上場株式の相続税・贈与税の猶予制度を解説

事業承継税制は、中小企業の後継者が非上場株式を相続・贈与で取得した際、相続税・贈与税の納税が猶予・免除される制度です。一般措置と特例措置の違い、要件、手続きを解説します。

自社株の相続税を概算してみましょう

一般措置と特例措置の比較

項目一般措置特例措置
猶予対象株式発行済株式の2/3まで全株式
猶予割合相続80%、贈与100%相続・贈与とも100%
後継者の人数1人最大3人
雇用確保要件5年平均8割維持(未達で取消)実質撤廃(理由書提出で継続可)
承継計画の提出不要2026年3月31日まで
適用期限なし2027年12月31日まで

適用要件

会社の要件

  • 中小企業であること(資本金・従業員数の基準あり)
  • 非上場会社であること
  • 資産管理会社に該当しないこと
  • 風俗営業会社でないこと

先代経営者の要件

  • 会社の代表者であったこと
  • 同族関係者と合わせて議決権の過半数を保有していたこと
  • 同族関係者の中で筆頭株主であったこと

後継者の要件

  • 相続開始時に会社の代表者であること
  • 相続開始直前に役員であったこと(贈与の場合は3年以上)
  • 同族関係者と合わせて議決権の過半数を保有すること
  • 同族関係者の中で筆頭株主となること

手続きの流れ

1

特例承継計画の作成・提出

認定経営革新等支援機関の指導・助言を受けて作成し、都道府県知事に提出(2026年3月31日まで)

2

相続・贈与の発生

先代経営者から後継者へ株式の相続または贈与が行われる(2027年12月31日まで)

3

都道府県知事の認定

相続開始後8ヶ月以内に認定申請を行い、認定を受ける

4

相続税の申告

認定書を添付して税務署に相続税の申告を行い、担保を提供

5

事後の届出

5年間は毎年、その後は3年ごとに継続届出書を税務署に提出

認定経営革新等支援機関とは

特例承継計画の作成にあたっては、認定経営革新等支援機関の指導・助言が必要です。税理士、公認会計士、弁護士、中小企業診断士、商工会議所、金融機関などが認定を受けています。中小企業庁のサイトで検索できます。

取消リスクと注意点

猶予が取り消される主な事由

  • 後継者が代表者を退任した場合
  • 対象株式を譲渡・贈与した場合
  • 会社が解散した場合
  • 資産管理会社に該当した場合
  • 継続届出書を期限内に提出しなかった場合

取消時は猶予税額に加えて利子税(年0.7%程度)も納付が必要です。

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よくある質問

事業承継税制で相続税はどうなりますか?

特例措置を適用すると、非上場株式にかかる相続税の100%が猶予されます。後継者が事業を継続し、一定の要件を満たし続ければ、最終的に免除されます。一般措置の場合は発行済株式の2/3まで、かつ80%が猶予対象です。

特例措置の期限はいつまでですか?

特例承継計画の提出期限は2026年3月31日、実際の相続・贈与の期限は2027年12月31日までです。期限までに計画を提出し、相続または贈与を行う必要があります。

取消事由にはどのようなものがありますか?

後継者が代表者を退任した場合、対象株式を譲渡した場合、従業員数が5年平均で8割を下回った場合(一般措置)、会社が解散した場合などが取消事由となります。猶予が取り消されると利子税も含めて納付が必要です。

※ 本記事は事業承継税制の一般的な解説であり、税務相談・税務申告を行うものではありません。 適用の判断は税理士にご相談ください。