不動産の相続税評価額の計算方法|土地・建物それぞれの評価を解説

不動産は相続財産の中でも大きな割合を占めることが多く、その評価方法を正しく理解することが相続税対策の第一歩です。この記事では、土地・建物それぞれの相続税評価額の計算方法をわかりやすく解説します。

あなたの不動産の相続税評価額を概算

土地の評価方法は2種類

土地の相続税評価額は、路線価方式倍率方式の2つの方法で計算されます。どちらの方式を使うかは、その土地の所在地によって決まります。

路線価方式(市街地の土地)

路線価が定められている地域(主に市街地)で使用します。道路に付された路線価を基に、土地の形状や利用状況に応じた補正率を掛けて評価額を算出します。

倍率方式(郊外・農村部の土地)

路線価が定められていない地域で使用します。固定資産税評価額に、国税庁が地域ごとに定める倍率を掛けて評価額を算出します。

路線価方式の計算方法

計算式

土地評価額 = 路線価 × 面積(㎡) × 各種補正率

計算例

路線価300千円/㎡、面積150㎡、奥行補正率0.97の整形地の場合:
300,000 × 150 × 0.97 = 4,365万円

主な補正率の種類

路線価方式では、土地の形状や条件に応じて各種補正率が適用されます。代表的な補正率は以下のとおりです。

補正率内容評価への影響
奥行価格補正率奥行が短すぎ/長すぎる土地減額
側方路線影響加算率角地(2つの道路に面する)増額
不整形地補正率形がいびつな土地減額
間口狭小補正率道路に接する幅が狭い土地減額
がけ地補正率がけ地を含む土地減額

建物の評価方法

建物の相続税評価額は、固定資産税評価額をベースに計算します。利用形態によって評価方法が異なります。

自用の建物(自分で住んでいる場合)

相続税評価額 = 固定資産税評価額 × 1.0

自宅として使用している建物は、固定資産税評価額がそのまま相続税評価額となります。

貸家(賃貸に出している場合)

相続税評価額 = 固定資産税評価額 ×(1 − 借家権割合30%)

賃貸している建物は借家権割合(30%)の分だけ評価が下がります。例えば固定資産税評価額が2,000万円なら、相続税評価額は1,400万円です。

貸家建付地の評価減

賃貸アパートの敷地など、貸家が建っている土地は「貸家建付地」として評価が減額されます。

計算式

貸家建付地評価額 = 自用地評価額 ×(1 − 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合)

計算例

自用地評価額5,000万円、借地権割合60%、借家権割合30%、賃貸割合100%の場合:
5,000万円 ×(1 − 0.6 × 0.3 × 1.0)= 5,000万円 × 0.82 = 4,100万円
約900万円の評価減

不動産の時価と相続税評価額の比較

不動産の相続税評価額は一般的に時価(実勢価格)よりも低くなります。この差が不動産を活用した相続税対策のポイントです。

資産の種類時価相続税評価額評価額の目安
現金・預金1億円1億円時価の100%
土地(自用地)1億円約8,000万円時価の約80%
建物(自用)1億円約7,000万円時価の約70%
土地(貸家建付地)1億円約6,500万円時価の約65%
建物(貸家)1億円約4,900万円時価の約49%

※ 上記は一般的な目安です。実際の評価額は個別の条件により異なります。

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よくある質問

土地の相続税評価額はどうやって計算しますか?

市街地は路線価方式(路線価×土地面積×補正率)、それ以外は倍率方式(固定資産税評価額×国税庁の倍率)で計算します。

建物の相続税評価額は?

自用の建物は固定資産税評価額がそのまま相続税評価額になります。賃貸の場合は固定資産税評価額×(1−借家権割合30%)で計算します。

不動産の時価と相続税評価額は違うのですか?

はい。相続税評価額は一般的に時価の70〜80%程度です。これが不動産を活用した相続税対策のメリットにつながります。

※ 本記事は不動産の相続税評価に関する一般的な解説であり、税務相談・税務申告を行うものではありません。 正確な評価は税理士にご相談ください。